「平和を実現する人々は、幸いである」
(マタイによる福音書5章9節)
大矢直人 日本バプテスト同盟 総主事
       東京平和教会 主任牧師
Blessed are the peacemakers, for they will be called children of God.
 主を賛美します
 今年の2018年12月14日(金)〜21日(金)までの1週間、フィリピンのイロイロという町でコベル宣教師の75周年メモリアル記念式典を行います。地元のCPBC(フィリピン バプテスト連盟)とABC(アメリカン バプテスト連盟)とJBU(日本バプテスト同盟)の共同開催記念式典です。
 ジミー・コベル宣教師は、第二次世界大戦前に日本に宣教師として来られ、アメリカからの船の中で同じく日本に宣教の思いを持った奥様チャーマと結婚し、子ども3人が与えられ横浜にある関東学院で英語の教師として働かれました。その頃の日本はアメリカとの関係が悪くなる一方でしたがコベル宣教師は、学生たちに「フレンドシップ ノット バトルシップ」(戦い(戦艦)ではなく、友情を)という教えを繰り返しされたそうです。
 しかし、戦争が激しくなり、コベルご家族は国外追放を受けてフィリピンのイロイロという町へ逃れていくのですがそこにも日本兵がやってきました。戦争で、女の人や子どもまで殺していく日本兵に立ち向かったコベル宣教師は、スパイの罪をかぶせられ日本兵によって処刑されてしまうのです。
 日本バプテスト同盟は、このコベル宣教師を覚え戦後何度かフィリピンのイロイロという町とコベル宣教師が殺害され十字架のお墓が建てられているホープバリーという場所の教会へ訪ねました。数年前からは、コベル宣教師のお墓のペンキを塗るボランティアなど青年たちを連れてこの場所を訪れています。
 聖書には、「平和を作り出す者たちは幸いである。その者たちは、神の子と呼ばれる」と書かれていますが戦争中にもかかわらず平和を説いて下さったコベル宣教師、そして、その思いを受け継ぎ平和学習として2年に一度、フィリピンを訪れながら戦争の悲惨さ(この場所でも沖縄と同じように集団自決が行われ300名近い家族が自決しています)と平和学習を通して平和を学ぶ青年たちが今も起こされていることに感謝しています。
 今年の12月に、コベル宣教師の75周年を通して、フィリピンとアメリカと日本が手を取り合って、共に祈り、同じ御言葉から学び、神様に悔い改めの祈りと賛美を献げられることは、どれほどの喜びでしょうか。過去の出来事を通して憎しみ合うのではなく、コベル宣教師の教えて下さった「フレンドシップ ノットバトルシップ」を大切にして歩みます。 もし、ご興味のある方は、日本バプテスト同盟までお尋ね下さい。 
                      (おおや なおと)