日本の自主独立と地上の平和実現のために |
東京聖書集会 中尾 猛(なかお たけし) |
日本が1952年、サンフランシスコ条約と日米安全保障を結んで、来年で60年になる沖縄県が基地を残したまま、1972年に返還されて、来年で40年になる。日米安保条約は軍事基地の占領を継続するための協定であったと言ってもよい。更に1960年に改定された60年安保はアメリカの世界戦略に日本が協力していくために、その適用範囲が極東から中東、アフリカまでエスカレートしている。 50年前、東京・立川には基地があり、立川駅のホームの屋根と駅舎をかすめるように米軍機が離着陸していた。そんな風景を日本本土のいたる所で見ることができた。基地のある所、反基地闘争が見られ、好ましくないと見たアメリカ政府は基地を日本本土から分断占領していた沖縄県に移した。これが沖縄県に75%の軍事基地が集中した原因であった。本来なら、本土の人間は沖縄県民の悩み・苦しみ・犠牲を分かち合わねばならない。50年前には本土各地に多くの基地や演習場があったことを思い出して欲しい。本土にも基地があるので、関心を持って見て欲しい。第2次大戦後、北海道から沖縄まで、日本は66年間米国の占領が続いてきた。日本は今こそ占領を終わらせる時である。 日本は自主・独立の国として生きていくためには、核の傘や日米安保の絆を断ち切り、日米関係は新しい友好関係を結び直し、平和国家、平和の市民として生きていく決意が必要である。日本列島は豊かな自然に恵まれ、周りが海に囲まれ、海からも幸を得ている。日本列島はそこに住む人々にとって、神様からの贈り物ではないかと思う。自然の恵みと幸を生かし、日本国憲法を生かして用いるなら、平和共存と交流により、資源や食料、エネルギーの足りない分は充分に手に入るであろう。日本のあらゆる産業、科学技術、文化は世界の発展や繁栄に役立つであろう。また地球環境問題の解決に貢献できると思う。 「神が御子を世に遣わされたのは、世を裁くためではなく、御子によって世が救われるためである。」(ヨハネによる福音書3章17節、新共同訳)哲学者のカントは200年前に『永遠の平和のために』を世に出した。それから今日まで戦争がしばしば起きている。現代は悪魔の兵器と言われる核兵器ができ、一旦使用されるとブレーキが止まらなくなり、人類絶滅の恐れがある。もし世に遣わされた御子の声に従うなら、戦争を止めるだけでなく、あらゆる武器を捨てることができないだろうか。イザヤ書2章4節の「国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない。」また日本国憲法9条の戦争放棄と軍備撤廃は夢に終わらせるのではなく、日本一国の平和だけでなく、世界の平和実現を願い祈りたい。キリスト者には戦争を止めさせる責任がある。キリスト者の小さな行動と祈りが世界を変えていくのではないかと思う。 |