世界は9条と共に歩み出している!
〜国際友和会・総会の報告を兼ねて〜



国際友和会・日本支部(日本友和会)理事長
橋本左内(はしもと さない)


 日本友和会は、国際友和会(International Fellowship of Reconciliation=IFOR)の支部の組織で、非暴力・非戦平和を掲げて80年を経た団体です。このIFORが昨年10月8日から18日まで、八王子の大学セミナーハウスで4年に1回の総会を開きました。テーマは「平和の柱・霊性・非暴力・ジェンダーの平等・人間の尊厳」でした。昨年は、日本友和会の80周年でもあり、第1日目に「ジャパン・デー」として記念講演と国際シンポジウムを行うことができました。私が「憲法9条を世界の指導原理に」の題で基調講演を行い、シンポジウムは「9条の風になろう!」のテーマで、IFOR会長のシソン氏、同国連代表のオストロフスキー氏、平和学者の岡本三夫氏、そして私がシンポジストをつとめました。
 外国の二人のシンポジストの提言は、グローバルな視点からに優れた内容であり、私ども日本からの提言と相乗効果を発揮して、参加者一同に大きなインパクトを与えたことが、分科会の討論の中でも実施され、最終的な決定においてもその効果が現れました。イタリアの若い代表(男声、キリスト教)は、「イタリアの憲法は侵略戦争を放棄しているが、武力を持ち交戦権も保持している、イタリアの憲法に9条を取り入れたい。また目下、EUの憲法を創っているところだが、そこへ9条を入れることがイタリア支部の使命だ!」と発言しました。また、ネパール代表(女性、仏教徒)は、「ネパールも憲法を起草中なので、日本友和会と国際友和会から来て、9条の価値について話してほしい」と申し入れられました。マダガスカルの代表(女性、イスラム教)も、是非、9条の学習会をしたいから来てほしいとの希望を述べられました。
 これらの討論が集約されて、9条に関わる決定は次のようになりました。IFORの活動目標の第5に、「平和の文化(戦争への抵抗、良心的兵役拒否、核兵器の廃絶、軍縮のための行動、非軍事化を含む)を推進する」こと。非軍事化の課題の第1に、「世界の宝である日本国憲法9条を、全ての国の憲法に盛り込まれるべきものとして支持する」と決めました。さらに、作業部会の中に新しく「平和憲法(Peace Constitutions)」部会が設置され、日本から招集者を出す(岡本三夫氏)ことになりました。これらの決定や要望に応えるため目下対処中です。一つは、憲法改悪を狙う「国民投票法」の強行採決の危険に対して、IFORの課題にしてほしいとの要請、ならびに、国連人権委員会への提訴など検討中です。世界の諸国民は、9条に大きく期待し、9条と共に歩み出していることを実感しつつ、その線上で忙しくなる毎日を楽しく活動しています。





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