あきらめず、たいまつをかかげて


キリスト友会日本年会 社会平和委員会
政池節子(まさいけ せつこ)

 この一年間を振り返ると教育基本法が変わり、防衛庁が”省”になり、それに伴う法、条例も変わり心ある人々は憂えている。ここ10年くらいの経過ではご存知のように少数党に不利になる選挙制度が作られ国民の抵抗があまりないせいもあり、有事立法、国旗・国歌法などができ、2006年末は上記のとおりとなった。新聞の一面記事をみると憤りと悔しさを覚えるが、目立たないところで憲法を守る意思表示をしている人はかぞえきれないほどある。
 Mさんは小学校時代疎開先の友人で、山形県の独立学園を卒業し、農林業に勤しみ母校のOBとしても活躍している。最近歌集「聖書の旅ノート」を送ってきた。450首ほどの短歌を読み返すと、素朴な表現で、その生活の中に平和を求めているのがしみじみと感じられる。歌ごころのない私だけれども
 ”九条を生かす気持ちをもちつつも 励ましいやますこの書をみて”
 と返事をした。
 奈良県在住のKさんは毎年自作のカレンダーに平和憲法を紹介しておられる。活字で訴えるばかりでなく美術品で表現されるのは、他の分野の人たちに広く憲法を知らせることになる。
 より広範に流布される九条の会は見逃せない。昨年の秋、東京での9条の会セミナーの発表では2006年10月で5639もの草の根九条の会があるという。別の新聞では6000ぐらいになったともいう。各地に根をおろして人々の認識を高めている。年賀状で自分の住んでいる所に九条の会ができたと報せてきた人が2〜3人はいる。
 昨年10月八王子の大学セミナーハウスで世界25カ国から代表が集まりIFOR国際友和会の総会がなされた。テーマは”平和の柱”となっているが、私が参加した部門では日本国憲法九条が貴重なものである事を日本の代表ばかりでなく多くの外国の参加者から述べられた。EUの憲法にこの条項を取り入れたい、その他、ウルグアイ、パレスチナ人等々励ましの言葉をかけて下さる方があった。
 賛美歌463”ささやかなるしずくすら 流れ行けば海となる”と歌いなれた句がよみがえっている。平和に波のうねりが海よりも大きくなってこの地球を変えるようでありたい。
 私の考え方が甘いと思われる方があるかもしれない。
 知人の一人が、テロ行為や戦争を起こす最大の要因は貧困であり、これを少しでも削減するため返済不可能な債務の取り消しをする”ジュビリー2000”を提案したことがある。これらの意見にも耳を傾け、決して戦争をしないようにするための共通項、最小公約数を発見して手を握り、そのうねりを大きくしていきたい。






HOME