「ひろしまを考える旅2023」を実施して
~Never Give Up ! ~
日本YWCA(平和・核委員会メンバー)・東京YWCA会員 内山佳子
 日本YWCAのひろしまを考える旅2023が「なぜ、核兵器を持ちたがるの?」をテーマに、2023年3月25日(土)から27日(月)、日本基督教団広島流川教会を主会場に行われました。2019年冬からの新型コロナウイルス感染拡大防止のため開催を見合わせていましたが、実施方法に工夫・検討を重ね、3年ぶりに広島YWCA及び呉YWCAの協力を得て開催となりました。参加者は中学生からシニアまで、運営メンバーも入れて総勢42名。
 第1日目は基調講演。その後原爆資料館で原爆による被害の非人道性を学び、さらに「碑めぐり」を実施しました。基調講演の講師はカクワカ広島(核政策を知りたい広島若者有権者の会)共同代表の田中美穂さん。核兵器禁止条約に賛同する立場で、広島出身の国会議員へのアンケート等を実施し、核兵器はなくせると信じて活動するICANと共に、活動を続けておられる姿に共感する方も多かった事でしょう。
 日本YWCAがこの旅で初期の頃から重視しているのがフィールドワーク。今回も①中高生が伝えるひろしまコース②『夏の花』(原民喜著)を歩くひろしまコース③韓国・朝鮮人被爆者の歩みコース④似島を歩くコース⑤呉市の過去から現在・未来を見通すコースに分かれ、それぞれ良き協力者を得て、現場を歩き、想像力を働かせ、加害と被害の歴史を学びました。
 私は似島を歩くコースを担当。宇品港からフェリーで約20分の似島。仁方越郁夫さんからこの島に日清戦争時に免疫所等を設置した過去や原爆投下直後の被害者対応等を説明して頂き、まさに加害と被害の歴史巡りでした。弾薬庫跡に残るトンネルとトロッコのレール跡。かつて江種祐司さんが爆弾を運んだという実話を思い出し、どんなに恐ろしかったことか。
 プログラムの最後は「想いを伝える」。現場で学んだことを誰に伝え、この期限のない課題とどう向き合っていくのか。まさに自分と向き合う時間でした。
 今回も被爆証言しくださった今年92歳の森下弘さんの「人類は愚かではない。希望をもって頑張ろう」という心強い言葉。そして「あきらめるな、あきらめちゃいかんぞ、最後の最後までNever Give Up!」の坪井直さんの声を思い出し、核のない世界の実現を目指していきましょう。
                     (うちやま よしこ)