「真実を隠さず、報道してください。」
中尾 猛   東京聖書集会
 2019年3月22日の朝日新聞朝刊では「イチローの引退」を第一面で大きく取り上げていた。そして社会面でも1ページをさいていた。確かに「イチロー」は日本だけではなく、アメリカにおいても、野球では輝かしい活躍をしてきた。日米のファンを喜ばせてきた。
 ところが、前日の21日に東京の代々木公園で開かれた「さようなら原発全国集会」の事はひとことも、朝日新聞には報道されていなかった。一方、同日の東京新聞には、「イチローの引退」を第一面で報道、その下の方に「原発やめて」という言葉とカラー写真が小さく載っていた。また社会面でも「イチロー」のことで大きく誌面を取ると共に、「原発『さようなら』一万人参加・反対集会」の言葉と集会後のデモの写真が掲載されていた。日本は原発を存続させるか、廃絶させるか、大問題である。また安全性その他の問題が問われている。日本で起きている問題は隠さないで報道してもらいたい。
 報道の自由を護ると共に、新聞を読む人の知る権利を忘れないでほしい。政治権力を利用した「森友学園」「加計学園」の問題、政府機関による「統計」の誤魔化しの問題など、解明して、真実を新聞に報道してください。人々が忘れる時を待って、政治家を喜ばすのではなく、政党は国会で真実を追求してもらいたい。また新聞は人々の良心に訴えてほしい。日本の政治に正義と公正がなければ、民主政治とはいえない。かつて1976年、新聞がロッキード事件のことを焙り出した時のことを思い出してください。その時、クリーンな三木などという言葉が聞かれた。政治を正そうという好い風潮が生まれたようだ。
 「政治に好ましくない放送をしたら、テレビの電波を配給しないことも有り得る」と言った総務大臣がいたが、冗談としても、恐ろしい話である。言論の自由、報道の自由を侵害する発言であった。検閲制度など復活してはならない。過去の日本を繰り返してはならない。政治的圧力があった場合、購読者にも共に闘うことを訴えてほしい。政権の側に都合の悪い事実は普段から隠さないで報道してください。日本の平和と民主主義を後退させないで、前進させていくことが大切です。報道隠しをしないでください。密約など隠されていることを明らかにして、報道してください。
                  (なかお たけし)