「キリスト者こそ安倍内閣の暴走に
急ブレーキをかけましょう」

安藤 眞一   日本メソヂスト教団 書記


 「しかし、わたしたちは、ひるんで滅びる者ではなく、信仰によって命を確保する者です。」ヘブライ人への手紙10章39節
 やっぱり、というべきでしょうか、過日のアジア・アフリカ会議で安倍晋三首相は先の「侵略戦争」の加害国として「お詫び」もなく「植民地支配と侵略」への言及もなかったことをマスコミ各社は伝えました。この姿は自分の過ちを謝罪しないどころか、歴史を捻じ曲げて、否定し、学ぼうとしない傲慢な姿そのものです。
 安倍内閣は今国会で「戦争準備法」ともいうべき「11本の安保関連法案」を強引に成立させようとしていますが、この動きは侵略戦争を阻止してきた憲法9条を否定する悪政であり絶対に認められません。悪魔の動きにひるんではなりません。いま安倍内閣の戦争準備に命をかけて闘いぬく沖縄・辺野古の皆さんに心から連帯いたします。そして、沖縄・三里塚・福島の皆さんと共に闘いましょう。私たちは、以上のような想いを込めて、去る2月22日の教団総会で次のような声明を決議いたしました。 (あんどう しんいち)
  憲法9条の改憲を急ぐ安倍内閣に抗議する声明

 共同通信は、『安倍晋三首相は2月3日の参院予算委員会で、法人人質事件に絡み、自衛隊任務の拡大を視野に入れた憲法9条改正に意欲を示した。「自民党は既に9条の改正案を示している。なぜ改正するかと言えば、国民の生命と財産を守る任務を全うするためだ」と述べた。』とのニュースを伝えました。この安倍総理の姿勢は「イスラム国」の暴力によって犠牲になった後藤健二さんたちの「武力で平和はつくれない」ことを願った遺志を踏みにじる姿勢であります。
 このように「国民の生命と財産を守る」と豪語する安倍首相は、後藤さんや湯川さんがすでに人質になっていることを承知でヨルダン国を訪問し、「有志連合」への協力を表明。「イスラム国」の怒りを増長させ、二人の尊い命を見殺しにする結果を生み出したと言わざるを得ません。本当に「国民の命と財産を守る」のであれば、自衛隊派遣の動きをやめ、「有志連合」への協力から撤退し、憲法9条を堅持すべきです。
 安倍内閣は憲法の三大原則である「国民主権」「平和主義」「基本的人権の尊重」をことごとく無視し、沖縄辺野古での新基地建設を強行、集団的自衛権の行使、原発再稼動、秘密保護法の施行など「暴力政治と戦争準備」にやっきとなっています。
 このような動きに対し、多くのキリスト者は「見張りの役」を忘れず「主は国々の争いを裁き、多くの民を戒められる。彼らは剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする。国は国に向かって剣を上げず、もはや戦うことを学ばない。」(イザヤ2章4節)との認識に立って、国会周辺で全国各地で安倍内閣の暴政に歯止めをかけようと様々な闘いを続けています。
 私たちは安倍首相の「積極的平和主義」と称した戦争準備の動きに抗議します。
 そして辺野古で新基地建設に命をかけて闘う皆さん方と連帯します。命を犠牲にする原発再稼動に反対し、福島の皆さん方と共に歩みます。
 私たちキリスト者は、神より平和をつくり出す使命を帯びて、様々な闘いを続けてゆくことを表明します。

2015年2月22日
日本自由メソヂスト教団総会議長 大井清美